「あなたが大切」

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

例年にない猛暑が続いた今年の夏。休み中、コロナ対策に加え熱中症の予防や暑さによる疲労、食事の管理など、お子さんの体調に気を使われていたことと思います。園でも、毎日保健所から食中毒警報が出され、子ども達の食事にいつも以上の注意が必要でした。

先月、全道のカトリック園研修会がzoomで開かれ、当園の職員も参加しました。その中で「子どもの心を支える食」をテーマに、新潟教区の神父様からお話をお聞きしました。その中で印象的だったのは、「いただきます。」は動物や植物の命をいただくだけでなく、作ってくれた人の命の時間もいただく、という意味も込められている、というお話でした。…人生の限られた時間を使って作られた食には「あなたが大切」というメッセージがある、食は生への肯定感を育む根本である…。このお話を聞き、親は子に一日3回、知らず知らずのうちに「あなたが大切」というメッセージを送っているものなのだ、子どもは食べ、成長する姿でそのメッセージを受けとっているのかもしれない、と私なりの感想を持ち、保育者としてどう子ども達に伝えていくか、考える機会になりました。
実家に戻ると、未だに親は「ちゃんと食べてる?」と私に聞き、帰り際には必ず「持って行きなさい。」と言って食材や手作りの総菜などを持たせてくれます。もういい大人なんだから、と毎回思いますが、親の人生の限られた時間をいただけることに感謝したいです。

2学期、運動会をはじめ各行事の日程や内容変更などご協力をいただくことが多くなります。コロナ禍で園に足を運んでいただく機会が少なくなってしまいますが、ブログや動画などでもお子さん達の様子をお伝えしていきたいと思っております。
今学期もよろしくお願い致します。

園長 泉川由利子

2021年8月

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

園庭には、夏の日差しが降り注ぎ、子ども達は気持ち良さそうに芝生の上を駆け回っています。畑で育てているスナップエンドウやじゃがいも、ミニトマトに水をやり、「早く大きくなあれ。」と、その生長を楽しみにしている子ども達。その傍らでは、カシスの実やキンレンカの花を摘み、すり鉢で擦って色水あそびをしている子、また、ビニールプールで水遊びを楽しむ子の姿が見られます。「黄色の花と緑の葉っぱを混ぜたらきみどり色になったよ。」「(ホースから出る水を見て)虹ができている!!」など、遊びの中から様々な発見をし、面白さを見出しているようです。‘たのしい’‘おもしろい’と思うことを見つけ遊びこみ、友だちと共有したり、分かち合ったりしながら更に興味や関心を広げて欲しいと思います。

毎朝、年少の男の子A君のお世話をしてあげている年長の女の子Bちゃんの姿を目にします。同じクラスのA君のことをいつも気にかけてくれるBちゃん。A君が入園したばかりの頃は、上靴を持って来て履かせてあげたり、手を繋いでお部屋まで連れて行っていたのですが、A君が慣れてきた今では、上靴を履けるようにつま先だけ押さえてあげA君が自分で履けるまで待ち、手は繋がずに見守りながら一緒にお部屋まで行きます。自分のことができるようになったA君の行動の成長と、相手を見守ることができるBちゃんの心の成長の両方を見ることができた出来事でした。

明日から夏休みに入ります。一学期は、行事変更や家庭保育をはじめ様々なご理解・ご協力をいただき誠にありがとうございました。コロナ禍で行動が制限され、例年とは違ったお休みを過ごされる方も多いことと思います。先が見えず不安定な状態が続きますが、子ども達、そしてご家族の皆様が心身ともに健やかに夏休みを過ごされますよう願っております。

園長 泉川 由利子

2021年7月

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

「おはようございます!!」と、元気な子ども達の声が今日も園舎に響いています。緊急事態宣言が解除され、全園児の登園を再開することができ、嬉しく思っております。この期間、家庭保育へのご理解・ご協力をいただきましたことに感謝申し上げます。解除されたとはいえ今なお不安は消えませんが、いつかやって来る穏やかな日常を信じ、園での感染対策を全職員で行っていきたいと思います。

先日、園内研修の中で職員に投げかけた質問があり、その一部を紹介したいと思います。
Q①「日々の保育の中で大切にしていることは何ですか?」
②「これからの社会で子ども達に伝えたいことは何ですか?」
A①「保育者も環境の一部。常に穏やかで、一人ひとりの心に寄り添えるように。」「何でも手伝い過ぎず、声をかけ過ぎず、自分で考えてできるように見守る時間をつくること。」「一人ひとりの行動の意味を考え、否定せず寄り添うこと。」「教師として一つ一つの行動、言葉使いに気を配り、子どもの手本となれるように。」
②「個性の大切さ、違いを認める心」「自分を好きでいることの大切さ」「自分の意見をしっかり持ち、自分で考えて行動できるように」「生きる力を身につけてほしい」「自分が受けた愛情を返せる人になって欲しい」「困難にぶつかった時、負けない心」「自分はもちろん、人とのかかわり、繋がりを大切にして欲しい。」「思いやり、感謝の心」

私自身、子ども達の人格形成に大きな影響を与える幼少期に一人ひとりと丁寧に向き合うこと、楽しさ、嬉しさを共感し、悲しみや辛さを乗り越える必要な手助けをしてやれる、そして成長への気づきや悩みを保護者の皆様と共有できる保育者でありたい、と思っています。

「みんながころなになりませんように。」「ころなでくるしんでいるひとにおくすりやちゅうしゃをあげてください。」
毎日、お当番さんとみんなが声を合わせて祈っています。思いやりの心、祈りは子ども達の成長と共に形となって届くことと思います。

園長 泉川 由利子

2021年6月

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

5月中は、家庭保育その他ご協力をいただきありがとうございました。緊急事態宣言が延長され、コロナ収束の兆しが中々見えず不安な日々が続きますが、日常生活が戻ることに希望を持ち、お子さん達との時間を共有できることに感謝しながら日々過ごしていきたいと思います。6月2日からは、分散登園とさせていただきます。感染予防に努めながらお子さん達が園生活のリズムを取り戻せるよう保育して参ります。引き続きご協力をよろしくお願いいたします。

木々の緑が濃くなり、吹く風に暖かさを感じる季節になりました。毎朝の通勤、バスを降りてから園までの短い道のりは、私にとって季節を感じさせてくれる良い時間です。草花の開花や小動物など目で感じる季節の他、色々な「季節の音」を耳で感じます。春先には「ピーピピピ」「ホーホケキョ」と、ヒヨドリやウグイスの声、初夏にかけての今は「カッコー」「ボーボボッボー」と、カッコウやキジバトの声が聞こえてきます。また、風が吹くと笹の葉のぶつかり合う音が正に「サラサラ」と音を立てています。また、園に着くと、お散歩から戻ってきた乳児さんから「せんせい、これあげる」と、小さな手にずっとにぎりしめていたタンポポをもらいました。手のぬくもりで温かくなった茎からその子の思いが伝わり嬉しい気持ちになりました。

自然豊かな環境の中にあるマリアこども園。季節が移り変わる中で、幼少期に生で様々なものを見聞きし、興味や探求心を育んで欲しいと思っています。

正午を知らせるマリア院の鐘の音が、今日も聞こえてきます。私にとってこの音色は、神様に守られていることを実感する心地よい響きとなっています。

園長 泉川由利子

2021年5月

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

新年度がスタートして数週間。子ども達も新しいクラスや先生、環境に少しずつ慣れてきたようです。入園式翌日、お母さんが恋しくて涙が止まらなかった子も、日を追うごとに園生活での楽しみを見つけ笑顔で過ごす姿が見られるようになりました。
自分の靴箱、自分のロッカー、自分のお道具箱、自分のお部屋…など毎日決まった場所があり、迎えてくれる先生達、そして大好きなお友達がいるこども園。ここを心地よい場所と感じ、安心して過ごせるようになって欲しいと思います。

園舎の周りに暖かい風が吹いてくる季節、子ども達の大好きな外遊びも始まりました。砂場ではスコップで穴を掘り、どこまで深くできるかお友達と競っている年長さんがいます。汽車の下では、「いらっしゃいませ~。」の声が聞こえ、行ってみると「カフェです。注文できますよ。」との誘いを受けました。誰が先に作るのか、また、メニューは何があるのか、など子ども達の中で小さな揉め事が起こりますが、その度に「順番に作ろうね。」「何でも売っているカフェにしようね。」など、みんなで考えたり話したりしながら遊びがすすんでいきます。戸外の気持ち良さを感じながら友達と沢山の経験をし、仲を深めて欲しいと思っています。

また、5月はマリア様の月です。いつも、私達を見守って下さる、みんなのお母さんであるマリア様のように、優しく温かい、愛に溢れた人になれますように。

園長  泉川 由利子