「みてて」

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

雪が降りました。赤や黄色に美しく彩られていた木の葉が落ち、真っ白な衣を纏う冬がいよいよやってきます。いち早く冬支度をしてきた子は、「新しい長靴履いてきたよ。」「手袋買ってもらったよ。」と、嬉しそうに見せてくれます。その小さい手を出して、「せんせい、ちょっときて。」「せんせい、みてて。」と呼ぶ子がいます。「自分で名前書けたんだよ。」「今日のシール、ここであってる?」「給食、ぜんぶ食べられた!」…子ども達には、様々な「みてて」があります。できるようになったこと、嬉しいこと、そして不安なこと。できるようになったことは「すごいね。よかったね。」と共感し、褒めて欲しいのです。そして、できてもまだ一人でするには不安がある子は、見てくれているという安心が欲しいのです。「頑張って。応援しているから一人でやってごらん。」という見守りによりその子のやる気が増し、「ひとりでできた」という自信へと繋がります。「てつだって」から「みてて」 そして「できた」になるようできるだけその言葉に応え、一緒に喜び励ましたいものです。

クリスマスの時期を迎えました。発表会に向けてこども達は、毎日張り切って練習に取り組み、また、待降節のお約束を守ろうと頑張っています。それぞれの学年の練習をみんなで見せ合い、「○○ちゃんかわいかった。」「じょうずだったね。」「こんどはぼくのをみにきて。」と、声を掛け楽しみにする姿が見られます。乳児さんは、初めてのステージを経験すること、年少さんは、楽しんで発表会に参加すること、年中さんは、お友だちと力を合わせてひとつのものを作り上げる経験、年長さんは、本当のクリスマスを伝えるためにみんなで心を合わせ、達成感を味わう経験を通して、それぞれの自信につなげて欲しいと思っています。お子さんの晴れ舞台での成長をご家族で「見ていて」あげて下さい。

~みなさんで一緒にクリスマスをお祝いいたしましょう~

園長 泉川 由利子

聖堂訪問

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

こども園に隣接している花川マリア院。コロナ禍で聖堂訪問、交流ができない日々が続いていましたが、感染が落ち着いてきた為、先日、年長さんの訪問が叶いました。

以前、マリア院の前庭をお散歩した時のこと、「中に入ってみたいな。ステンドグラスきれいだね。」と、話していた年長さん。訪問前日には、「楽しみだな。」「行ってみたい。」という声が聞こえる中、ひとりの女児Aちゃんが「私はいや。行きたくない。怖いから。」と訴えてきました。「大丈夫。怖くないよ。神様がいらっしゃるお家だから一緒に行こうね。」と伝え、心配しながらも当日を迎えました。

初めて入る聖堂に少し緊張していた子ども達でしたが、静かな気持ちで手を合わせ祈り、あたたかい笑顔で迎えて下さったSr.先生のお話を静かにお聞きすることができました。園に戻ってから「どうでしたか?感想をお話したい人はいますか?」との担任からの問いに、真っ先に手を挙げ「お祈りが楽しかった!緊張しなかった。」と、笑顔で答えてくれたのは前述の女児Aちゃんでした。聖堂の怖いイメージは小さな心の中で変化したのでしょう。それに続き「きれいな心になれた。」「Sr.先生が優しそうだった。」「年少、年中さんも行けたらいいね。」と、感想を言い合う年長さんの姿がありました。これからクリスマスに向け、聖劇に取り組む姿を神様が見守って下さることでしょう。

11月15日から始まる待降節。自分の周りで困っている人達、また、遠くはなれ、見えないところで苦しんでいる人、弱っている人達のために自分の小さい心と力を使って何ができるか、ということを考え実行していけるようお子さん達と一緒に約束をしていきたいと思っています。 ご家庭でも献金など待降節のご協力をよろしくお願い致します。

園長 泉川 由利子

成長の秋

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

先日の運動会では、度重なる日程、時間変更の中、ご都合をつけていただきありがとうございました。また、コロナ感染対策にご協力いただきましたことに感謝致します。
限られた時間、内容の中での運動会となりましたが、どのお子さんも皆、今持っている精いっぱいの力を発揮し、自分なりに運動会を楽しみ頑張る姿を見せてくれました。

お家の方に手を引かれながらはちみつポットにお花を入れてゴールした乳児さんのなんとも可愛らしい姿、大好きな曲に合わせて小さな手や足をいっぱいに動かし踊っていた年少さんの楽しそうな笑顔、また、大きなバルーンをみんなで操りいくつもの技を成功させた年中さんのひとつにまとまっていた姿に感心した方も多かったことと思います。そして、1学期から一生懸命練習してきた年長さんのよさこいやリレー。勝ち負けを意識し本気で取り組む姿、緊張感の中で心をひとつにしてみんなで表現する姿勢は見ている人達に感動を与えてくれました。

大きな行事を通し、できることが少しずつ増えたお子さん達。この素晴らしい経験をこれからの自信につなげ、大きく成長してくれることと思います。

10月。収穫の秋を迎えました。私たちの食卓には、毎日当たり前のように食べ物が並んでいます。
このお恵みは、生産者や流通、販売その他沢山の方々を通して届けられることを知り、感謝していただくようになって欲しいと思います。また、食べられない人達に子ども達の祈りが届けられるよう願っています。
「かみさま おいしいおしょくじをありがとうございます。おおきくなるため、すききらいをしないでなんでもたべます。たべるもののないひともたすけてください。いただきます。」

園長 泉川 由利子

「あなたが大切」

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

例年にない猛暑が続いた今年の夏。休み中、コロナ対策に加え熱中症の予防や暑さによる疲労、食事の管理など、お子さんの体調に気を使われていたことと思います。園でも、毎日保健所から食中毒警報が出され、子ども達の食事にいつも以上の注意が必要でした。

先月、全道のカトリック園研修会がzoomで開かれ、当園の職員も参加しました。その中で「子どもの心を支える食」をテーマに、新潟教区の神父様からお話をお聞きしました。その中で印象的だったのは、「いただきます。」は動物や植物の命をいただくだけでなく、作ってくれた人の命の時間もいただく、という意味も込められている、というお話でした。…人生の限られた時間を使って作られた食には「あなたが大切」というメッセージがある、食は生への肯定感を育む根本である…。このお話を聞き、親は子に一日3回、知らず知らずのうちに「あなたが大切」というメッセージを送っているものなのだ、子どもは食べ、成長する姿でそのメッセージを受けとっているのかもしれない、と私なりの感想を持ち、保育者としてどう子ども達に伝えていくか、考える機会になりました。
実家に戻ると、未だに親は「ちゃんと食べてる?」と私に聞き、帰り際には必ず「持って行きなさい。」と言って食材や手作りの総菜などを持たせてくれます。もういい大人なんだから、と毎回思いますが、親の人生の限られた時間をいただけることに感謝したいです。

2学期、運動会をはじめ各行事の日程や内容変更などご協力をいただくことが多くなります。コロナ禍で園に足を運んでいただく機会が少なくなってしまいますが、ブログや動画などでもお子さん達の様子をお伝えしていきたいと思っております。
今学期もよろしくお願い致します。

園長 泉川由利子

2021年8月

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

園庭には、夏の日差しが降り注ぎ、子ども達は気持ち良さそうに芝生の上を駆け回っています。畑で育てているスナップエンドウやじゃがいも、ミニトマトに水をやり、「早く大きくなあれ。」と、その生長を楽しみにしている子ども達。その傍らでは、カシスの実やキンレンカの花を摘み、すり鉢で擦って色水あそびをしている子、また、ビニールプールで水遊びを楽しむ子の姿が見られます。「黄色の花と緑の葉っぱを混ぜたらきみどり色になったよ。」「(ホースから出る水を見て)虹ができている!!」など、遊びの中から様々な発見をし、面白さを見出しているようです。‘たのしい’‘おもしろい’と思うことを見つけ遊びこみ、友だちと共有したり、分かち合ったりしながら更に興味や関心を広げて欲しいと思います。

毎朝、年少の男の子A君のお世話をしてあげている年長の女の子Bちゃんの姿を目にします。同じクラスのA君のことをいつも気にかけてくれるBちゃん。A君が入園したばかりの頃は、上靴を持って来て履かせてあげたり、手を繋いでお部屋まで連れて行っていたのですが、A君が慣れてきた今では、上靴を履けるようにつま先だけ押さえてあげA君が自分で履けるまで待ち、手は繋がずに見守りながら一緒にお部屋まで行きます。自分のことができるようになったA君の行動の成長と、相手を見守ることができるBちゃんの心の成長の両方を見ることができた出来事でした。

明日から夏休みに入ります。一学期は、行事変更や家庭保育をはじめ様々なご理解・ご協力をいただき誠にありがとうございました。コロナ禍で行動が制限され、例年とは違ったお休みを過ごされる方も多いことと思います。先が見えず不安定な状態が続きますが、子ども達、そしてご家族の皆様が心身ともに健やかに夏休みを過ごされますよう願っております。

園長 泉川 由利子