ことばで伝える

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

残暑が長かった夏の名残もあり、今年は紅葉の見ごろも遅く平地での初雪ももう少し先になりそうですね。「あ~、はやくゆきふらないかなぁ。ゆきだるまつくりたいよ。」冬の訪れを心待ちにする子ども達のつぶやきが聞こえます。大きな雪山での楽しい遊びを想像する一方で、大雪や寒さへの覚悟と緊張と共にいよいよ冬を迎える準備が始まります。

職員室で仕事をしていると、度々子ども達がやって来ます。「せんせい、おりがみ。」「こうはくぼうし…」中には、何も言わずにもじもじしている子も。先生達はそんな時、「折り紙、どうしたの?」「紅白帽子が何かな?」「ご用事、何ですか?」など、聞き返します。子どもが自分の言葉を探し、きちんと伝えられるように待ってみます。「おりがみ…ください!」受け取ってそのままお部屋に戻ろうとする時には、「何て言うのかな?」と声を掛けます。「あ…!ありがとう。」「どういたしまして。」繰り返し伝えるうちに、自然と自分で考え、言葉が出てくるようになっていきます。最近は、何を差しているのかわからない省略語や、ひとつの言葉でもその場の空気を読み逆の意味を想像しなければならない言葉を子どものうちから使用する傾向にあるように思いますが、正しい言葉で自分の伝えたいことをきちんと伝えるよう、習慣づけていきたいものです。

園では、11月13日から待降節が始まります。クリスマスの本当の意味を知り、困っている人や、苦しんでいる人達にみんなの温かい心と優しい気持ちを分けてあげられるように、子ども達と一緒に約束をしていきたいと思っております。

ご家庭でも待降節のご協力をよろしくお願い致します。

                                      園長 泉川 由利子

運動会を終えて~経験を自信に

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

先日の運動会では、お忙しい中ご家族で参加して下さりありがとうございました。3年ぶりに制限のない運動会。例年にない暑さの中での開催となりましたが、皆様のご協力により無事に終えられましたこと感謝申し上げます。ご家族の皆様の沢山の応援や拍手、大きな声援が子ども達には嬉しく、思い出深い運動会になったことと思います。

お家の方に抱っこされながらりんごを運んだ姿がとても愛らしかった乳児さん、一列になって行進し、体形変化まで見せてくれた年少さんの堂々とした姿、また、練習時からみんなで心を合わせて取り組むことでひとつひとつの技を完成させる楽しさを体感していった年中さんは、本番でも見事な技を見せてくれました。そして、年長さん19人の気合いのこもったよさこいやリレー。勝敗へのこだわりや団体という意識をもって、友だち同士声を掛け合い、競い合いながら毎日真剣に取り組んだひとりひとりの姿には感動がありました。どの子も、頑張り挑戦したこの経験を、これからの自信に繋げ更に大きく成長してくれることと思います。

10月は、秋の自然が溢れる良い季節となります。涼しく良い気候の中で散歩や遠足に出掛け、草花や木々の変化に気付いたり、また、作物の収穫を通してそのお恵みに感謝するようになって欲しいと思います。

また、今月は、お店やさんごっこなど縦割クラスでの活動が多くなります。異年齢の子同士が協力しイメージを共有し合いながら準備をすすめ、更に仲を深めて欲しいと思います。

園長 泉川 由利子

夏の音

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

連日、猛暑が続いている今年の夏。‘お盆を過ぎたら北海道の夏は終わり’と言われていますが、まだまだ子ども達は夏の遊びを楽しめそうですね。とはいえ、秋の足音も近づいています。園庭でミ~ンミ~ンと鳴いていたセミの声は聴こえなくなり、とんぼが静かに飛びはじめました。

夏の音…子どもの頃、家のすぐ向かいが公園だった私は、朝ラジオ体操の歌を目覚ましに起き、急いで行って出席のハンコに間に合わせたことが思い出されます。公園のブランコをキィーコキィーコ、と漕ぐ音、草野球をしている子のカキーンというバットの音、自転車のブレーキ音、また、夜になると手持ち花火をする家族の楽しそうな声など、窓を開けていると爽やかな風とともに入ってくるその様々な生活音に心地よさや季節を感じたものでした。

現在では、騒音問題で花火をする場所に困ったり、ラジオ体操や盆踊りを取りやめにしている地域が多くあるとニュースで流れていました。心地よい音、そうでない音は人によって違うものだと実感する昨今、大人の事情で子ども達の五感を鈍くさせてしまうのは勿体ないとも思ってしまいます。

夏休み明け、園庭の芝を刈る音、刈られた芝や草の沸き立つ香りとともに子ども達の元気な笑い声が聞こえてきました。

石狩の暑い夏が終わり、秋から冬へと季節がめぐる2学期、小さな目、耳、鼻、手や足を使って自然と触れ合いながら四季を感じ、更に成長して欲しいと思っています。

2学期もどうぞよろしくお願い致します。

園長 泉川 由利子

二日間の成長

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

夏、真っ盛りというような気温の高い日が続いた7月。園でも砂場遊びや水遊びなど、夏ならではの活動を存分に楽しむことができました。また、園庭の畑にはジャガイモの花がきれいに咲き、トマトやなすびが美味しそうな実をつけ、さつまいもはグングンと茎やつるを伸ばしています。子ども達は、自由遊びの時間などに水やりをしながらその成長に興味を持ち、収穫を楽しみにしているようです。

先日、年長さんのお泊り会が行われました。丸一日家族と離れて過ごし、家ではない場所、いつもと違う寝具で寝る、ということは、まだ5,6歳のこどもにとってはこちらが想像している以上に大変で不安があるかもしれません。そして、お子さんを送り出すご家族にとっても、実は勇気のいることかもしれません。この二日間、お子さん達は不安をよそに、どの活動も心から楽しみ、お友だちと一緒にできたこと、また、ひとりでやり遂げたことを喜び、自信をつけて家に帰ることができました。「楽しかった!!」「もう一回やりたい!」…という嬉しいみんなの言葉。これからのお子さんの自立と成長が楽しみですね。

明日から夏休みに入ります。ご家庭で過ごされる方、遠方に行かれる方、様々に過ごす中で、日本の伝統行事に触れたり、夏ならではの貴重な経験を沢山されることと思います。休み明け、またひとつ成長した子ども達に会えることを楽しみにしています。

一学期もご協力いただきありがとうございました。

園長 泉川由利子

どうぞ

投稿日: カテゴリー: 園長のことば

6月後半から気温の高い日が続き、子ども達は、汗びっしょりになって外遊びを楽しんでいます。虫網を持ってぴょんぴょんと飛ぶ小さなバッタを追いかける子は、「せんせい、12ひきもつかまえたよ。」と虫かごの中を嬉しそうに見せてくれます。また、「こっちきて。みてて。」と、手を引いてくれる子は、鉄棒で見事な前回りを披露してくれました。子ども達が楽しく、そして安全に遊ぶことができるよう、外の環境を整えて参りたいと思います。

先日、札幌駅で用事を足し、家路につくため地下鉄に乗り込みました。夕方の時間帯の車内は混んでおり、背中に大きな楽器を背負って両手に3つ荷物を持っていた私は、「あぁ、邪魔でごめんなさい…。」という気持ちで立っていました。すると、目の前に座っていた女子高生がさっと立ち、「どうぞ」と私に席を譲ってくれようとしました。咄嗟のことに「あ、大丈夫ですよ。」と言うと、「重そうだから…。」と、気遣ってくれたのでその気持ちが嬉しく座らせてもらいました。座っている間、「この女子高生はすぐ降りるのかな。疲れていないのかな。いつも自然にこんな行動ができる子なのかな…。」色々考えながら、素敵な子に出会ったなぁ、と、豊かな気持ちになっていました。園では子ども達に「お友だちのお世話をしましょう。」「困っている人を助けてあげましょう。」と教えています。自分の日常を反省し、ことばだけでなく何より大人が行動し手本となることが大切だな、と、女子高生に教えられた出来事でした。

今月は、七夕祭りなど季節の行事も開催されます。子ども達はどんなお願いごとをするのでしょうか?短冊に書かれた小さなみんなの願いが叶いますように。

そして、自分のことだけでなくひとのために願い、喜び、悲しむことができますように。

                                        園長 泉川由利子