園長のことば

教え合う

新年度がスタートして数週間。園庭の雪山もようやく解け、空高くこいのぼりが泳いでいます。新しい生活に始めは不安だったお子さん達も先生やお友だちに慣れ、親しみをもって生活するようになりました。毎日大学構内へお散歩に出掛ける乳児さんの足取りも軽く、また、幼児さんは自由遊びの時間に列になって構内をお散歩する日もあります。「ただいま~!」と、園に戻って来たその小さな手には、たんぽぽやつくしんぼが握られています。玄関のマリア様の前には、子ども達が見つけた‘春’が並び、その賑やかな光景を微笑ましく見守ってくださいます。

園で飼育しているモルモット‘チョコ’ちゃん。可愛らしいその姿は、子ども達だけでなく、職員や園に来たお客さんみんなを癒してくれています。年中さんになるとそのお世話係の‘チョコ当番’があり、お昼になると毎日二人ずつお当番さんが職員室を訪れます。ある日、「チョコ当番お願いしま~す!!」と、年長の男の子が年中さんを連れ、張り切ってやってきました。初めて当番をする年中さんに、「僕が先に見本をしてみるから見ていて。」と言って、丁寧にまな板と包丁を使い、人参を切り、あと片付けまでやってみせます。真剣にその様子を見ていた年中さんは、その見本通りに全て行うことができ、嬉しそうにしていました。「○○ちゃん、この人参チョコに持って行っていいよ。」と、優しい言葉を掛けてくれた年長さんもまた満足そうでした。こども同士教え合う姿は良いものです。次の年にはこの年中さんに優しさが受け継がれることでしょう。

5月は、マリア様の月です。「まりあさま、おはようございます。」「いってきます。ただいま。」と、園に入ると子ども達はご挨拶をしています。良いことがあった時、寂しい時、いつも側で私達を見守って下さるマリア様。みんなの母であるマリア様のように、優しく温かい、愛に溢れた人になれますように。   

園長 泉川 由利子