園長のことば

夏の音

連日、猛暑が続いている今年の夏。‘お盆を過ぎたら北海道の夏は終わり’と言われていますが、まだまだ子ども達は夏の遊びを楽しめそうですね。とはいえ、秋の足音も近づいています。園庭でミ~ンミ~ンと鳴いていたセミの声は聴こえなくなり、とんぼが静かに飛びはじめました。

夏の音…子どもの頃、家のすぐ向かいが公園だった私は、朝ラジオ体操の歌を目覚ましに起き、急いで行って出席のハンコに間に合わせたことが思い出されます。公園のブランコをキィーコキィーコ、と漕ぐ音、草野球をしている子のカキーンというバットの音、自転車のブレーキ音、また、夜になると手持ち花火をする家族の楽しそうな声など、窓を開けていると爽やかな風とともに入ってくるその様々な生活音に心地よさや季節を感じたものでした。

現在では、騒音問題で花火をする場所に困ったり、ラジオ体操や盆踊りを取りやめにしている地域が多くあるとニュースで流れていました。心地よい音、そうでない音は人によって違うものだと実感する昨今、大人の事情で子ども達の五感を鈍くさせてしまうのは勿体ないとも思ってしまいます。

夏休み明け、園庭の芝を刈る音、刈られた芝や草の沸き立つ香りとともに子ども達の元気な笑い声が聞こえてきました。

石狩の暑い夏が終わり、秋から冬へと季節がめぐる2学期、小さな目、耳、鼻、手や足を使って自然と触れ合いながら四季を感じ、更に成長して欲しいと思っています。

2学期もどうぞよろしくお願い致します。

園長 泉川 由利子