園長のことば

小さな優しさ

新年度がスタートし、約一か月が経ちました。

大学構内の桜が開花し、園庭には空高くこいのぼりが泳いでいます。新しい生活で緊張気味だったお子さん達も先生やお友だちに慣れ、親しみをもって生活するようになりました。外遊びも始まり元気いっぱいのお子さん達。お散歩や遠足で沢山歩いて、丈夫な身体と心を育んで欲しいと思っております。

朝、泣かずに頑張って登園してきた新しい年少さん。お帰りの頃、寂しくなったのでしょうか。我慢できずに涙が溢れてしまいました。その子を抱っこし、絵本を読んだり遊びに誘ったりしながら一緒にバスを待っていると、側にいたひとりの子が黙ってその子の頭を撫で、もう一人の子は涙でいっぱいになった顔を見て「泣かないでね。」と言ってティッシュを差し出してくれました。昨年まではお世話される側だった二人が、自分より小さい子、困っている子に精一杯優しくしてくれたその姿に心の成長を感じました。泣いていた年少さんの心の拠りどころとなり、互いに育ち合っていくことでしょう。

5月は、マリア様の月です。いつも、私達を見守って下さる、みんなのお母さんであるマリア様のように、優しく温かい、愛に溢れた人になれますように。    

戦禍の中にいる方、貧困に苦しんでいる方がいることを忘れず、その人達のために祈り、小さな力を貸すことができますように…。  

園長 泉川 由利子