園長のことば

どうぞ

6月後半から気温の高い日が続き、子ども達は、汗びっしょりになって外遊びを楽しんでいます。虫網を持ってぴょんぴょんと飛ぶ小さなバッタを追いかける子は、「せんせい、12ひきもつかまえたよ。」と虫かごの中を嬉しそうに見せてくれます。また、「こっちきて。みてて。」と、手を引いてくれる子は、鉄棒で見事な前回りを披露してくれました。子ども達が楽しく、そして安全に遊ぶことができるよう、外の環境を整えて参りたいと思います。

先日、札幌駅で用事を足し、家路につくため地下鉄に乗り込みました。夕方の時間帯の車内は混んでおり、背中に大きな楽器を背負って両手に3つ荷物を持っていた私は、「あぁ、邪魔でごめんなさい…。」という気持ちで立っていました。すると、目の前に座っていた女子高生がさっと立ち、「どうぞ」と私に席を譲ってくれようとしました。咄嗟のことに「あ、大丈夫ですよ。」と言うと、「重そうだから…。」と、気遣ってくれたのでその気持ちが嬉しく座らせてもらいました。座っている間、「この女子高生はすぐ降りるのかな。疲れていないのかな。いつも自然にこんな行動ができる子なのかな…。」色々考えながら、素敵な子に出会ったなぁ、と、豊かな気持ちになっていました。園では子ども達に「お友だちのお世話をしましょう。」「困っている人を助けてあげましょう。」と教えています。自分の日常を反省し、ことばだけでなく何より大人が行動し手本となることが大切だな、と、女子高生に教えられた出来事でした。

今月は、七夕祭りなど季節の行事も開催されます。子ども達はどんなお願いごとをするのでしょうか?短冊に書かれた小さなみんなの願いが叶いますように。

そして、自分のことだけでなくひとのために願い、喜び、悲しむことができますように。

                                        園長 泉川由利子